お知らせ
令和8年度税制改正大綱が閣議決定されました
令和8年度税制改正の概要
令和8年度税制改正は、物価上昇や経済構造の変化を踏まえ、「家計の可処分所得の確保」「成長投資の促進」「税負担の公平性の確保」を基本方針として実施されます。個人課税や法人課税に加え、相続税における不動産評価の見直しが大きな特徴となっています。
1.個人所得課税の見直し
いわゆる「年収の壁」への対応として、基礎控除および給与所得控除の見直しが行われ、所得税の課税最低限が引き上げられます。これに伴い、配偶者控除、扶養控除、勤労学生控除などの所得要件も調整され、低・中所得層を中心に税負担の軽減が図られます。住宅ローン控除については、省エネ性能の高い住宅を中心に制度の延長および内容の見直しが行われます。
2.法人税・企業向け税制
中小企業を中心とした設備投資を後押しするため、生産性向上に資する設備投資に対する税制措置が拡充されます。また、AIやバイオなどの戦略分野における研究開発税制も強化されます。賃上げ促進税制については、中小企業向け措置を維持しつつ、大企業向け制度の整理が進められます。
3.相続税の不動産評価の見直し
令和8年度税制改正の中でも、実務への影響が大きいのが相続税における不動産評価の見直しです。近年、実勢価格と財産評価基本通達による評価額との乖離を利用した過度な節税が問題視されており、今回の改正では、その是正が明確に打ち出されています。
具体的には、一棟貸しの賃貸ビルなどの収益不動産について、形式的な賃貸割合のみで評価するのではなく、実態に即した収益性や市場性を踏まえた評価へと見直す方向性が示されています。
これにより、不動産評価額が実勢価格とかけ離れて低く算定されるケースは抑制され、相続税負担の公平性が高まることになります。一方で、不動産を活用した相続対策については、従来以上に慎重な検討が必要となります。
4.資産税・消費税その他
事業承継税制については、特例措置の使い勝手を改善する見直しが行われます。消費税については、インボイス制度に関し、免税事業者が課税事業者へ移行する際の負担軽減措置が整理・継続されます。
5.まとめ
令和8年度税制改正は、家計支援や成長投資の促進に加え、相続税における不動産評価の適正化を通じて、税負担の公平性を高める内容となっています。今後の相続対策においては、不動産評価の仕組みを正確に理解したうえで、保有目的や収益性を含めた総合的な検討が重要となります。
